金美齢の私は鬼かあちゃん

<2013年2月18日 7才9ヶ月>



読んだ本の記録です。



「金美齢の私は鬼かあちゃん 金 美齢(著) 黙出版」(2001年発行)です。






金美齢さんは夫の周英明さんともに、
長年台湾独立運動に関わってきた方であり、早稲田大学では20年以上にわたり英語教育に携わっています。
多方面でご活躍なさっていて、テレビではコメンテイターや評論家として活躍しています。




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(画像は北九州青年会議所より)




そんな美齢さんは早稲田大学の修士課程の時年子で女の子、男の子を出産します。


母親になり、社会での自分のキャリアも追い求めます。
あれも、これもどっちも捨てたくないのなら、
「ここはスーパーウーマンになって、
二人前の仕事をして、二人前の人生を送ろう」
と考えます。
今はワーキングマザーは沢山いらっしゃいますが…。



子ども達は慶應大学へ進み(二人とも一浪後)、
娘さんはテレビ局のディレクターとして活躍(2児の母)、
息子さんは商社マンとして世界を飛び回っているそうです。
(娘さんのTV局勤めがキッカケで、美齢さんがテレビに出るようになったそうです。)


金美齢さんがどのような子育てをしてきたか?が書かれている本です。


とても面白かったです。
世の中には色んな子育てがありますが、
とてもユニークです。
私にはマネできないけれど、
「成人式でおしゃべりをしているような幼稚な行動をする大人になるな!」、
何かあると「立ち向かえ!」という肝っ玉母さんぶりにスカッとした気持ちになりました。



まず彼女は「子ども性善説、子どもの自主性を尊重、自由、自然に育てる」子育てに違和感を訴えています。
「こどもは主役ではない。社会の主役、家庭の主役は大人である」と言い切っています。
近頃の子どもが幼稚化しているのは物と自由が過剰に与えられたからだ、
ルールを作り、ダメなものはダメと徹底します。
(ゲームやバイクなど)

「朝お母さんが起こしてくれないから、学校に遅れたじゃないか」
「●●ちゃんと同じ筆箱じゃなくちゃイヤ!」
「給食おいしくないから食べない」
などと駄々をこねて言うことを聞かなかったら、ほっぺたをひっぱたいてやればよろしい。
それが愛情というものだ。
そんなわがまま勝手をさせていては、なによりも本人のためにならない。
それに、世界の何億何千万もの貧困にあえぐ気の毒な子どもたちにもなんだか済まないではないか。

と書いています。



(今は反論が激しくなっていますが、)「抱き癖をつけない」ように徹底。
子どもが小学生の低学年のうちから、
自分は夜遅くまで仕事で朝起きられないので、
朝の支度は子ども達だけに任せます。
(小2から姉が弟を起こし、自分で朝ごはんを作り、食べて、学校に行ったそうです。)


小学生の二人を置いて、美齢さんはイギリスのケンブリッジ大学へ2年間留学してしまいます。
普通だったら「連れて行く」と思うのですが。。


親中心で生きているように思えましたが、
でも、
地域の母親と児童文学の会を行う。
PTAにもまめに参加し、担任や保護者を招いてホームパーティを催す。
旦那様が学校で課外授業(理科)を行う。
地域の人に支えられながら、子育てをしたそうです。
(地域の人とかかわるために、小・中学校は公立にしたそうです。)


留学中は旦那様が仕事で遅い日は姉弟で飲食店に夕食を食べに行っていたそうですが、
PTAから「子どもだけで飲食店はよくない」と抗議があります。
そうすると、近所の人が「うちで一緒に」と夕飯をさそってくれたり、
夏休みに田舎へ一緒に連れて行ってくれたりしたそうです。


お姉さんは劇団、弟は野鳥の会に入ったり、
中学の時はNYで夏休み1ヶ月間、現地のサマーキャンプに入れたり、
色んな経験を子どもはしていたそうです。


とてもユニークだと思ったのはお小遣いのあげ方です。
400字詰原稿用紙1枚に何かを書けば100円。
漢字などの誤字があれば10円引き。
中学になれば、200文字原稿用紙に何でもいいから英訳文を書けば100円あげたそうです。


しかし子育てがすべて順調というわけでもなく、
いじめもあります。
姉弟とも「いじめの標的」になっていました。
(台湾姓というのもあって。)
夫婦で相手の親に電話したりして解決しています。

また、いじめる立場にもなっています。
息子さんが中学の時に、友人にお金(総額7万)をゆすっていたことがあるそうです。
(友人がおとなしい子だったので、中古の遊具などを売りつけていたそうです。)
美麗さんは校長室で怒りまくり、
「あなた死になさい」とまで言ったそうです。
両親で相手のお子さんの所へあやまりにいったそうです。
子育てって一筋縄ではいかないのね、、、と思いました。
もしかしたら↑のような「お小遣い制度」が影響していたからなのかも??(真相はわかりませんが。)


大学受験のときは、
「将来親孝行しようと思っているかもしれないけど、
どうせ大したことできないのよ。
だから、親孝行するなら将来じゃなくて、若いときにやってちょうだい。
あなたたちは一生懸命勉強して、いい大学に入って、パパとママに嬉しい思いをさせてちょうだい。
親として誇らしい思いをさせてちょうだい。
あなたたちが実際にできる親孝行なんてそんなものよ。」
なんて言っています。


ズラズラと印象に残ったエピソードを書いてきましたが、
(友人にお金をゆすっていたことを知らなかったことはおいておいて)、
親子のコミュニケーションがうまくいっているように思いました。
子どもは何かあると親に相談しています。
娘さんは思春期時代でも学校でのことを色々と話してくれていたそうです。


思うに、
美齢さんはお仕事は忙しかったかもしれませんが、
子どもと向き合う時間は、しっかりと子どもに正面から目をむけて向き合っていたからだと思いました。
また夫婦が仲がいい様子が伝わってきて、
二人三脚で子どもに向き合っていて、それも子育てにいい影響があったのだろうと思います。


子どもというものは、その成長過程のさまざまな段階で、親にいろいろと質問してきたり、アドバイスを強く求めたりする。
友だちのこと、学校のこと、勉強のこと、そして自分の将来のことなど、
毎日の生活の中で子どもたちは数え切れないほどの多くの矛盾に出会い、当惑し、不安を覚える。
それが人間の成長というものだ。
このことは、自分の子ども時代を思い出してみれば、だれでも思い当たるのではないだろうか?

そんなとき、子どもの疑問や悩みに真剣に対応してやることが絶対に必要である。
たとえ大人の目から見てどんなに幼稚で、取るに足らない悩みでも、真面目に応じてやらなければならない。
むしろ、そうすることこそ、人の親としてもっとも親らしいことがしてやれる瞬間ではないだろうか。

子どもが真剣にアドバイスを求めているとき、これに応えなかったり、
応えることができなかったりする。
こんな状況が続いているうちに、うちの親に何を相談してもしようがない、と子ども心にも見極めがついてくる。
そして親の意見を聴くのをやめるようになる。



なんて書かれていました。
まあ、普通は子どもは親に話すより「友達に話す方」に移行していくものだと思いますが…。
でも、子どもにきちんと向き合うことは大切だと思います。


本のプロローグには「子どもの自主性」に任せるなんてとんでもない、、と書かれていましたが、
私は小学生高学年以降は、
「子どもの自主性に任せている子育て」という印象がありました。
(息子が小6で自分で全部計画を立てた九州一周旅行を許可しています。)



プロローグにこんなことが書かれていました。



母親(父親)にとって、本当に必要なのは、よそ様の片言隻句に右往左往するのではなく、
まず自分の頭で考え、自分で判断して決めるという基本的な姿勢をしっかりと確立することである。
よそ様の意見を聞くのもよかろう。一般論を尊重することも有益であろう。
しかし、それはあくまで参考にするものであって、
なにかを絶対視してそれにのめり込むことは感心しない。
結局のところ、
自分の子どもをだれよりもよく知っているのは親なのであり、
だれよりも愛しているのも親なのだ。
だから、親がきっちりと子どもに向き合って、親が判断し、親が決めるのが最高であるし、なによりも間違いを犯す可能性が一番小さい。
(でも、)間違いにあまり神経質になることはない。
間違ったと思ったら改めて考え直し、やり直せばよい。
私の子育てだって、本当のところ、数え切れないほどの試行錯誤の積み重ねだった。
実はこんなこと当たり前の話である。
だれにとっても今の自分は「初めての人生」なんだから、子育てを含めて、人生そのものが試行錯誤なのだ。




これが彼女がこの本で言いたかったことなのだと思います。


私はとても優柔不断でグチグチしているので、
彼女の潔さが気持ちよかったです。






エピローグに美齢さんは「孫にも自分の親の生い立ちを具体的に知ることができる」からこの本を書いてよかった、と結んでいます。


私も人様の子育てですが、
読んでいて興味深かったです。




お付き合いくださってありがとうございました。

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Secre

文化の違いを感じますね!

面白い本の紹介をありがとうございます。
まず、同じアジア人とはいえ、文化を違いを感じます。
有名な「タイガーマザー」しかり(ご存知ですか?)、中国系のお母さんは「子供は本来、強いものだ」という前提にたって、子育てをされており、そして「強く、社会で成功する人間になってほしい」という気持ちで子育てをする、という文化なのだと感じました。
一方、日本は「子供は弱いものであり、神様から預かっているもの」という考えを持っている面で前提が違うと常々感じます。
だから日本人は親が子供をどうこうするというより、子供の興味や本来の力をだしきるサポートとして、親が後ろから見守り、補助するイメージですが、中国系は、母ちゃんがグイグイ押して、ひっぱりイメージです。(私の単なるイメージ)
どちらがいいとか悪いとかはないのですが、ワーキングマザーとしては、日本は他国に比べて後手ですので、やはり学ぶところは多いなと感じています。
日本の男性も他国の男性に家事、子育ての面では見習って欲しい面も多々ありますがね。最後は私の単なるぼやきです。

>kaoさんへ

なるほど、文化の違い、
その点には気がつかないで読んでいました。
そういうこともあるのかもしれませんね。
納得しました。
ホントどちらがいいとか悪いとかないのでしょうね。
時代もあるのかもしれません。
今は「抱き癖をつけるな」は「間違っている」と言われることが多いのですが、
美齢さんは泣いても抱かなかったそうです。

> 日本の男性も他国の男性に家事、子育ての面では見習って欲しい面も多々ありますがね。
そうですね~。
最近はイクメンなどとマスコミが騒いでいますが、
前は「男は企業戦士」「家庭は妻に任せて」が主流だったりしていましたものね。

段階的子育て

金美齢さんの、歯切れのよい物言い好きです。
TVでの印象から、この子育ての様子もなんとなく想像つきます。


日本語の「こども」って、すごく曖昧な言葉だと思いませんか?
「我が子」だけをさす場合、「こども全般」をさす場合もあるし、
「幼児期」だけをさす場合もあるし、「未成年」をさす場合もあるし・・・。


わたしは「10歳までは夢の中」子育てで(シュタイナー関係の本のタイトルです)、
高学年くらいからは、金さん式子育てに徐々にシフトして行きたいです。


仕事で接するこどもたちを見てて、日本の子育ては、
小さい子が「幼稚」なのを叱り過ぎで、
大きい子が「幼稚」なのを見過ごし過ぎてる気がします。
中学年あたりからは、きちんとメリハリつけた方が、
実は子供自身も安心するし、
大人への信頼感が増すようにも見えます。


「叱られたから凹む・キレル」ではなく、
「叱られたのは愛情から」だとわかってもらえるための土台作り子育てが、
10歳までの「尊重子育て」じゃないのかなあ。
わたしはその路線で子育てしてます^^












>hiromidさんへ

> 日本語の「こども」って、すごく曖昧な言葉だと思いませんか?
> 「我が子」だけをさす場合、「こども全般」をさす場合もあるし、
> 「幼児期」だけをさす場合もあるし、「未成年」をさす場合もあるし・・・。
なるほど、
そうですね!

> 仕事で接するこどもたちを見てて、日本の子育ては、
> 小さい子が「幼稚」なのを叱り過ぎで、
> 大きい子が「幼稚」なのを見過ごし過ぎてる気がします。
ホントにそうですね。
うなずきすぎてしまいます。

本の中に、
「自由主義教育」が子どもから自己抑制力がや社会的適応力を奪い、
ひ弱な人間を育てていくと考える、
自由に育てられた子どもというものは、必ずしも幸せではない、
エリッヒフロムの「自由からの逃走」においても、
自由を与えられたが自律心をもたないひ弱な精神が、不安のあまり自ら束縛を求めて、
ナチズムの全体主義へと傾斜していく状況が描かれている。

なんて書かれていました。
自由の取り違えをしている親も多いかも。。(私も含めて)
hiromidさんみたいにメリハリをつける、ってとても大切だと思います。


> 「叱られたから凹む・キレル」ではなく、
> 「叱られたのは愛情から」だとわかってもらえるための土台作り子育てが、
> 10歳までの「尊重子育て」じゃないのかなあ。
> わたしはその路線で子育てしてます^^
ふむふむ。
そのとおりですね。
私もがんばりたいです^^
私も段階段階をふんでしっかりと向き合いたいです。

hiromidさんとお話していて、
もう一箇所、本の部分を移しておきたくなりました。
彼女が子どもとしっかりと向き合っている様子がわかります。

No title

追加文章、ありがとうございました。
読みました。
ものすごく頷けますねぇ・・・


でも、わたしはひねくれてるので、
金さんや、あとタイガーマザーを読んだ時は特に、
「こどもたちに本当の気持ちを聞いてみたい」とも思っちゃいました^^;
金さんもタイガーマザーも情熱家なので、
その分の愛情を注いでいたでしょうし、それなら問題ないのでしょうが。


わたしも、娘が悩みや困ったことを話してくると、二重に安心します。
単純に「(隠そうとせず)まだ、幼くて可愛いわー♪」と思うのと、
「まだ頼ってくれてる」と思えるので。


この相談された時の対応は、
「じゃあ、こうすれば?ああすれば?」解決式ではなくて、
「そっかー、それは嫌な思いしたね」の受け止め式(親業的?)がメインですが・・・。


>自由を与えられたが自律心をもたないひ弱な精神が、不安のあまり自ら束縛を求めて、
>ナチズムの全体主義へと傾斜していく状況が描かれている。

極論に見えるけど、これも言いたいことよくわかります。
わたしはオウム真理教を連想しました。

確かに、「10歳まで・・・・」とは思ってる今の「甘えさせ路線」子育てだけでいけば、
そうなる可能性だって大有りですね。
うちは今年10歳なので、そろそろわたしもスタンバイしなくては・・・。


またまた、いろいろ気づかせていただきました。
いつもながら、ありがとうございます^^







>hiromidさんへ

> 金さんや、あとタイガーマザーを読んだ時は特に、
> 「こどもたちに本当の気持ちを聞いてみたい」とも思っちゃいました^^;
そうですね、親の気持ちと子どもの気持ちが違うことがありますものね。
金さんの場合は本を出す前に娘さんが目を通したようですが。


> わたしも、娘が悩みや困ったことを話してくると、二重に安心します。
> 単純に「(隠そうとせず)まだ、幼くて可愛いわー♪」と思うのと、
> 「まだ頼ってくれてる」と思えるので。
そうですね~。
「あの親に言っても仕方ない」なんて思われちゃあ、寂しいかも。
あ、うちは学校であったヤなことなどあまり話してくれなくなってしまいましたが…^^;

> この相談された時の対応は、
> 「じゃあ、こうすれば?ああすれば?」解決式ではなくて、
> 「そっかー、それは嫌な思いしたね」の受け止め式(親業的?)がメインですが・・・。
私も同じことを書きながら思いました。

自由も難しいですよね。
学校でもいい指導者がいれば話は別ですが、
そうでない場合統制がとれないだけになってしまいますし。

こちらこそありがとうございますね。
こうやっておしゃべりするのが楽しいです^^
プロフィール

ざまき紅子

Author:ざまき紅子
遊びにきてくださってありがとうございます。
旅行、読書、映画、海外ドラマが好きな関東在住の主婦です。
2005年4月生まれの地図と線路が好きな息子(紺太郎・仮名)がいます。
夫とは週末婚です。
小5の2017年1月に夫が急に「受験」を言い出し、本人もその気になり2月中旬から塾(N)に通い始めました。
突如決めた中学受験、1年間しか時間がないし、わからないことだらけで右往左往しています。2018年春に桜が咲くといいです。


(2008年12月の記事は他の所で書いていたものを移したので、日付はランダムになっています。)


★もしご近所さんでこのブログに気がつかれた方がいらしたら、内緒にしていただけると嬉しいです。

★お出かけ先の施設の営業時間・料金等はここに書かれているものから変更になっている場合がありますので、自ら御確認をお願い致します。

★お願い★
このブログに掲載されている写真の無断転用はお断り致します。転用する場合は、リンク先のアドレスと共にご一報をお願い致します。

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