六の宮の姫君~芥川龍之介、山岸涼子

<2012年2月27日 6才10ヶ月>



私は中学生か高校生の頃からノートに書く日記を書いています。
自分がその時に思ったことや読んで感動したものを書き写したりしていました。
高校生のころは思春期らしく「あー、もう自分なんて大キライ!」なんてグチャグチャ、グルグルと丸を鉛筆でノート書いていたりして、
今見ると笑ってしまいます。
まあ、あの時は真剣だったのですが…。




1997年の3月にあるマンガの話の一部分を書き写していました。
15年前なんですねぇ。。
ずっと心に残っている話なので、こちらのブログにも記録したいと思います。



とても長いので、
興味のある方、お時間のある方、よろしかったらお付き合いください。




マンガは山岸涼子さんの短編「朱雀門」です。






芥川龍之介の短編「六の宮の姫君」について書かれている話です。




(↑読んでいません。。)



「六の宮の姫君」は古典の『今昔物語集』が元になっているお話です。


以下、要約します(要約でも長いのですが)。


時勢にも遅れがちな旧家に生まれた六の宮の姫君は父母に寵愛されて育ちます。
しかし突然の両親の死から、姫君は次第に落ちぶれていくことになります。
姫君が唯一頼ることのできたのは乳母で、彼女に勧められて結婚します。

姫君は暮らしのために体を売るのも同然だと感じますが、結局やがて姫君は夜ごとに男に会うようになります。
男に愛されながらも、姫君は一度も嬉しさを感じたことはありません。

しかしある日突然、男が地方の守に任じられてしまい、今宵限りで会うのは最後だと告げられます。
5年経てば帰ってくると言い残して男は姫君の元から去りますが、6年目の春がやってきても、一向に男は帰ってきません。


乳母が新たな夫を紹介しようとしますが、「ただ静かに老い朽ちていきたい」と姫君は申し出を断わります。
9年目の秋、男が地方でできた妻と共に京へ帰ってくると、六の宮は朽ち果てており、残っているのは築土だけでした。
そこにいた老尼の話から、姫君がだんだんと落ちぶれていったことを聞いた男は、翌日から洛中を探し回ります。


男は病床の姫君を見つけますが、男を見るやいなや何か叫びだして、倒れ込んでしまいます。

すぐさま老尼が乞食法師を呼びに行き、臨終の姫君に経を読んでくれるように頼み込みます。
経を唱えるように姫君に呼びかけたが、姫君はうわごとを言うようにして、そのまま静かに死に顔へと変じていきます。

姫君の臨終の間際で念仏を唱えていた法師が朱雀門の近くにいると、侍がやってきて、近頃この辺りで女の泣き声がするではないかと噂話の真偽を尋ねます。

法師がただお聞きなさいと言い、侍が耳を澄ませると、少ししてから本当に女の声がします。


太刀に手を掛けようとすると法師がそれを止め、極楽も地獄も知らない憐れな女の魂で、念仏を唱えてやりなさいと言います。


(ここまで)(↑の話は更に続くのかもしれません)


山岸涼子さんの漫画「朱雀門」は、
この「六の宮の姫君」について2人の女性が語っているという設定です。




「どうして六の宮の姫がふがいないの?」
「あら、そこが芥川龍之介のすごいところだわよ。
『生』を生きないものは、『死』をも死ねない…と彼は言いたいのよ。
こういう時代のお姫様なんだからこういう生き方も仕方なかったのかもしれないけど、その中で、六の宮の姫君はただの一度とも自分でどうこうしようと努力しないのよ。

ただ襲ってくる運命を甘んじて受け入れるだけ。

乳母が家の物を売りさばいたり、生活に苦しんでいるのを知りつつも、
自分ではどうすることもできず琴を弾いたり、歌を詠んだり…。

男に身を任せた時、彼女は自分を哀れんで泣くだけで決して相手を愛したりなぞしていないのよ。
それでいてその愛していない男の援助だけは、つまり相手の愛だけはあてにして何年も待つのよ。

この何も知らない、見ない、ただ待つだけ耐えるだけなんて、
そういった人間は、自分の「生」を満足に生きていないのと同じよ。
たとえこの時代のお姫様だとてね。

生きることは生活の苦しみや楽しみ、人と人との触れ合いを知るということだもの。
「生」は生きて生きて生き抜いて初めて「死」という形で完成するんですって。
つまりは生きている実感がなければ死ぬという死んだという実感がなくて当たり前なのよ。

六の宮の姫君は自分が死んだという実感もまだわからないまま死んだと思うわ。結局死を受け入れられなかったよね。」

「それでさまよっているわけ?」

「そう、、と私は解釈しているんだけど」




女性の一人はお見合いしまくって理想と合わないから断りまくっている、、、という設定でした。

彼女は気づきます。


「なんと私は自分が100%許されることを期待しながら、相手を1%も許さない人間だったのよ。そういう人間が他人を愛せると思う?

他人を許す、他人を引き受ける、それができなくて何が愛よね。
お見合いなんか何度やっても同じよ。
六の宮の姫君のことなんか言えた私じゃないのよ。

私は傷つくのが怖かった。傷つくのを避けて生きて何になるでしょう。」



(ここまで)




私もお見合いは沢山しました。
うまくいかなかったので、この彼女の気持ちがよくわかりました(苦笑)。



それで、


この「生と死の問題」、、
「自分はきちんと生きているのかな?」とずっと心にひっかかっていました。



で、
最近「ちゃんと生きなくちゃ」と改めて思った出来事があり、
この話を思い出したのでした。



昨日アップした「十人の乙女」の話こちら)にも
通じることがあるのですが、
(くり返しになりますが、)
「自分と人を大事にしながらも、自分の(根底の)欲求を知って何をすればいいのか考える、
そして行動する、「やる」ということ」、
「何を選ぶか自分に責任を持つ」、それが「自分の人生を生きる」ことに繋がるのでは
と思っています。
(そして、
「違う?」と思ったら、じゃあこれから自分はどうしたいのか?を考える、

「疲れたら休む」ことも。。。
「自分を整える」こと。)



でも、、


たぶん「自分を高めよう」と意気揚々としているときはいいのですが、
それが「続くか?」も問題です。。
人間は「忘れる」ものだし…。
自分を甘やかしていると、すぐに自分に我侭になったりして。。
(時には自分を甘やかすことも大事なのはわかっています。(色々言う人もいるので、念のため書きます))


「言うが安し、行うは難し」なので、
すぐ「できない~」とくじけて、ルーズになって「口だけ星人」になる可能性も大です。。



でも「できない~」「できない~」と言っているだけなら子どもと一緒だし…。




なので、
「意識する」、、これは大事なことだと思います。
花の水やりもすぐに忘れてしまう私…。
毎日「意識する」ことが大切だと思います。



忘れるなら、書く、
意識して思い出す、
思い出せないなら書いたものを見る、
それでもダメなら、、見えるところに貼る、
などなど、
色々と工夫はできると思います。






子育てに関しては、
色々と気づいた後でさえ、
「怒り(イライラ)を子どもにぶつけて、手っ取り早く自分の思い通り(自分の期待どおり)に行動してもらう」
ようなことも多々あるので、
日々勉強だと思って、ゆっくりと、よりよい自分になるように(気張らない程度にゆるく、できない自分も許しつつ)少しずつ頑張りたいと思います。


私の尊敬する親業の先生は「親業を自分のものにするまで10年かかった」とおっしゃっています。



汐見稔幸(東京大学名誉教授・白梅学園大学学長)さんから聞いた言葉、

「手っ取り早く私(親)の思い通りにさせようとしてはいけない。
それは、、子どもに試行錯誤(考えさせる)ことを省くことだ。
(体験させるしかない。)」

「いつも親に怒られ、、(責められて)叱られていては、、
子どもはこれやったら叱られるだろうな、、といつも考えて自己規制するようになる。
「自分の主人公は自分だ!」という考えが育たない。
自尊感情が育たない。」
ということも忘れずにいたいです・・・。
自尊感情(自尊心)だけでなく自発性だって育ちません。。



イライラした時は深呼吸を忘れずに、怒りの下にあるものを自分で受けとめてイライラ菌をおいだす努力をしたいです。
追い出せなかったら、時間をおいてでも「書いて」自分の怒りをそこにぶつけてみる。
そして冷静さを戻したいものです。




祈り=「幸せへの願い」を込めた「決意」を忘れたくない、、と思いました。






で、、話は少しそれるのですが、
今朝(2月27日)私の所に来ましたあるメルマガ(←入っている保険の人から)にこんなことが書かれていました。



念という文字を分解すると
「今」の「心」になります。
「今」の「心」とは

今、目の前にいる人、目の前にあることを大事にする心のこと。


「目の前にあることを一生懸命やりなさい」
ということにほかなりません。
それは、言葉を換えていえば「実践」ということです。

お釈迦さまも
「過去を追うな、終わってしまったことに縛られるな。
まだ来てもいない未来にわずらわされるな。
今というこの一瞬、
今日というこの一日を大切にして生きよ」

と、おっしゃっています。



「すべてを味方 すべてが味方 小林正観著 三笠書房」より


(↑読んでません)


これを読んで


祈り(念)
を忘れず、
「今(今日)を心を込めて」生活しようと改めて思いました。



ちょうど「六の宮の姫君」の話を日記に書こうと思っていたときに、
こういうメルマガが来るのも「ご縁だな~」なんて思いました。



長いのにお付き合いくださりありがとうございました。





ネットに日記を書き始めてから、ノートの日記に書くことがめっきり減りました…。
打つほうが簡単ですが、書く、、と頭に残るものです。

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Secre

No title

このお話、いいですね。

日野原重明さんだったか、他の人だったかはっきりとは覚えていませんが、「よい死を迎えるには、よく生きなければいけない」というようなことを仰っています。
「『生』を生きないものは、『死』をも死ねない」という芥川龍之介と、意味するところは同じなのでしょうね。
自分という主体がなく、全てが他人次第では、確かに本当に生きているのか、生きているという実感があるのか、ということになりますね。

誰だって傷つくのは怖い。怖くない人はいないと思います。
でも、怖いからと言って避けるばかりではなく、どのように生きて行くのか、考え悩みながら生きていのもまた、人生なのでしょうね。
そして、そんなところに「その人がその人らしく生きた"人生"という油」、アイデンティティが育まれてくるのでしょうか。

> それが「続くか?」も問題です
同感です。続かないのか、忘れてしまうのか、意識から抜け落ちてしまうことはよくあります(^_^;)。
時には見ないふりをしていたり・・・。

一日一日、心を込めて生活すること、心していきたいですね。
そして、一日の終わりには振り返る・・・「言うが安し、行うは難し」ですが、心がけていきたいです。

(昨日の記事、リンクをして下りありがとうございます。)

>愛希穂さんへ

いい、なんてありがとうございます♪
といっても元の話は私が書いたわけではありませんが…^^。

> 自分という主体がなく、全てが他人次第では、確かに本当に生きているのか
結構私はあまり自分で考えずに人に頼ってきたところもあるので、ちょっと耳がいたいです。

> 誰だって傷つくのは怖い。怖くない人はいないと思います。
> でも、怖いからと言って避けるばかりではなく、どのように生きて行くのか、考え悩みながら生きていのもまた、人生なのでしょうね。
> そして、そんなところに「その人がその人らしく生きた"人生"という油」、アイデンティティが育まれてくるのでしょうか。
そうですね。
さげるのも一つの手ですが、さげているばかりでも疲れますしね。
さけてばかりではタレントも生かせないかもしれないし…。

続かせるのも努力がいります。。
>一日一日、心を込めて生活すること、心していきたいですね。
ですね~。
私も一日の終わりに振り返りたいです。
>「言うが安し、行うは難し」
これは本当に痛感しています…。
不測の事態も起こるし…(苦笑)。

こちらこそリンクさせていただいてありがとうございました♪♪

芥川龍之介が驚いてしまう?

芥川龍之介「六の宮の姫君」、懐かしい。
いや~、なつかしい。昔読みましたよ。

最近は「フラミンゴの村」の澤西さんが、芥川龍之介を敬愛しているそうです。
澤西さんの作品は、芥川龍之介の作品とは似て非なるモノですが・・・。
面白いし、あっけにとられる結末まで用意されてました。
こんな作品書ける人なんだから、さぞかし面白い人なんだろうと
思って、ネットで調べても、なかなか情報がないものです。
いまのところ、
http://www.birthday-energy.co.jp
に澤西さんの解説記事があって、「平成の毒持ち」ですが「逸材」だそうですよ。

あぁ、「六の宮の姫君」、もういちど読んでみようかなぁ。

>かりんさんへ

はじめまして?でしょうか。
(もしそうでなかったらごめんなさい。)
コメントありがとうございます。

芥川龍之介の「六の宮の姫君」を読まれたんですね。
私も読んでみたくなりました。
このマンガを読むまでは知らなかったのですが…。

私は読むものが偏っているので、失礼ながら澤西祐典さんを知りませんでした。
芥川龍之介を敬愛しているんですね。
「逸材」ということはこれからが楽しみですね。
コメントありがとうございました。

No title

はじめまして。
山岸涼子さん「朱雀門」で検索してこちらを拝見しました。
すごくいいお話だったのでトラックバッグさせていただきました。

>はりゆきさんへ

はじめまして。
コメントありがとうございます!
そしてトラックバックしてくださったようで、ありがとうございました♪
山岸涼子さんの「朱雀門」はいいお話ですよね~。
色々と考えさせられました。
コメントしてくださって、嬉しかったです。
プロフィール

ざまき紅子

Author:ざまき紅子
遊びにきてくださってありがとうございます。
旅行、読書、映画、海外ドラマが好きな関東在住の主婦です。
2005年4月生まれの地図と線路が好きな息子(紺太郎・仮名)がいます。
夫とは週末婚です。
小5の2017年1月に夫が急に「受験」を言い出し、本人もその気になり2月中旬から塾(N)に通い始めました。
突如決めた中学受験、1年間しか時間がないし、わからないことだらけで右往左往しています。2018年春に桜が咲くといいです。


(2008年12月の記事は他の所で書いていたものを移したので、日付はランダムになっています。)


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