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東京新聞の「筆洗」であれこれと卒原発

<2011年4月22日>


我が家が購読しています東京新聞の一面には「筆洗(ひっせん)」というコラム欄があります。
朝日新聞でいう「天声人語」と同じ位置づけになります。


最近の筆洗を読んでいておもしろいと思ったもののご紹介です。


筆洗は東京新聞のHPでも読むことができます。
私は気がつかずに最初の2つは一生懸命文字を書き写してしまいました(苦笑)。




2011年4月18日付

「人間は柔順な動物であり、どんなことにも馴れてしまうところの存在である」と断じたのはドストエフスキーだが、今ここにある危機には、慣れてしまうわけにはいかない。
天気予報と同じように、新聞に毎日載っている「最大放射線量」の図がある。
「おや、今日は低いな…」などとつぶやくことに違和感を覚えなくなる自分を想像したくない。先の見えない不安の中、感覚が鈍磨し関心自体を失ってしまうことが怖い。」
(後略)


これにはまさしく同感です。
新聞にも「最大放射線量」の図が毎日でていますが、関東地方の夕方のNHK首都圏ニュースでは天気予報のように「今日の関東各地の放射線量」のコーナーがあります。
こんな時代になるとは思ってもいませんでした。
こんなことには馴れたくないものです…。


2011年4月19日付

江戸時代、しけが続くなどの事情で、大阪から江戸に油が来なくなり、油の値段が上昇する経済現象を「油切れ」と呼んだ。司馬遼太郎さんは「油切れは、江戸では頻発し、そのつど市民が騒動して不穏の空気をかもしだした」と自著の『ある運命について』で書いている。
江戸時代、行商人が油差しで桶から客の器に移す際に、油のしずくを切るのに時間がかかった。それを待つ間に客としゃべっている姿がサボっているように見えることから生まれた言葉が「油を売る」だ。
東日本大震災で、ガソリン不足が深刻になり、スタンドに車の長い列ができた。計画停電の地域では、信号機も動かなかった。現代でも「油切れ」は、暮らしを不安に陥れる最大の要因であることは変わらない。
東京・高円寺で開催された反原発デモの後、近づいてきた男性が「電気がなかったらどうやって暮らすんだ!」と声を荒らげたと、作家の雨宮処凛さんが本紙夕刊に書いていた。
今の便利な生活を維持するために、今回の事故のような恐怖を味わうことは本末転倒ではないか、という雨宮さんの考えに共感する。
菅直人首相はきのうの参院予算委員会で「従来の先入観をすべて白紙に戻し、なぜ事故が起きたのかのかを根本から検証する必要がある」と述べた。
御用学者を拝した第三者機関で徹底検証してほしい。もう、油を売っている時間はない。



地震のあった後に、計画停電を3回くらい体験しました。
1回3時間だけなのに、、この不便さと言ったら、、今までの想像を超えるものでした。
家の中の不便もそうですが、
信号機が動かない、電車も動かない、店舗やスーパーもお休みになったり…。。
不便というのは不安も引き起こします…。
精神的にも参りました…。
数日の計画停電でもそうなのに、、被災地で長く電気(&ライフライン)が使えなかった地域は本当に大変だったと思います…。


2011年4月22日付

オバマ米大統領は、今年一月の一般教書演説で、原子力発電のことを、太陽光や風力と並べて「クリーンエネルギー」に位置付けた。
しかし、今、福島第一原発で起きている事態を見てみよう。周辺の農家や漁業者を窮地に陥れているのは農作物や魚などの放射能汚染。原発危機の出口を探る上で、当面の障害となっているのは放射能汚染水である。もし、クリーン(きれい)なら、「汚染」など起きない。
タービン建屋などにたまっている高濃度汚染水は六万トンを超えるらしい。玉突き式に別のタンクなどへと移していき、浄化も進めつつすべてを抜き取る。それが済んでやっと、本来の冷却設備復旧の作業に入ることができるという。この汚染水との格闘、ずいぶん時間がかかりそうだ。
「万物の根源は水だ」と古代ギリシャの哲学者タレスは考えたようだが、人間が母の羊水に守られてこの世に生まれ、身体の過半を水で満たしているのは確かである。こんな句がある。<水を見て目をぬらしたる春のくれ>八田木枯(はったこがらし)。
この涙は、母、あるいは人間の存在へとつながる水への、哀(かな)しいまでの“懐かしさ”ゆえか。しかし、今、その水が、人が近づけないほど放射能で汚され、その漏出、果ては放出によって、海の水までが汚され…。
あの句とはまったく違った意味で、どれだけの人が<水を見て目をぬらし>ていよう。





>もし、クリーン(きれい)なら、「染」など起きない。

に激しく同意です…。


***


いつ付けのものか忘れましたが、こちらの東京新聞で、
「『反原発』という言葉より『卒原発』という言葉を使おう」と書かれていました。


なるほど、、と思いました。
私は原発反対派です。(こちらなど)
でもなんとなくイメージ的に「反」という言葉を使うより「卒」の方がしっくりきます。
あと「脱原発」も反原発よりしっくりきます。


反だと反対の意味の他に反抗的というふうにもとられてしまいます。
東京・高円寺で開催された反原発デモの時、警察のカメラマンが主要人物の顔写真を撮っていたそうです。
反政府人物として認識するため…。
原発にノーということが、、警察の敵になるの??政府の敵になるわけ??と少し驚きました。
いつもお世話になっていて守ってくださっていると感謝している警察の敵になってしまうこともなりうるんだ・・・と。
反社会的になるつもりはないんだけどな…。


ある身近な人に「原発はいやだ」と言ったところ、
「ふ~ん、社会主義的なんだね。」と言われてしまいました…。
それも意外でした…。
(注:社会主義がイヤとかどうとか言っているのではありません。)


デンマーク在住の日本女性のブログ(転載OKと書かれていて勝手にリンクさせていただきました)で
「デンマークがどのように脱原発をしたか?自然エネルギー政策の成功例」が語られているものを読んだ時に、
「デンマークのデモクラシーが機能していること、情報の統制が全くないこと。」

が成功の条件の一つにあげられていました。
だから、、すごくそう言われたことに違和感がありました。
民主主義だからこそ、、政府の方針を変えられると思うんだけど…。。
ドイツだってそうだったし…。
日本の民主主義は本物の民主主義ではないのかしら…。



まあ、反社会的に見られるのがいやだからと「卒原発」や「脱原発」という言葉を使っても、反対なものは反対なんですけどね。



まとまりがなく、、申し訳ありません…。


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Secre

No title

何度か、事前通達もなく、ここで突然停電になったことがあります。

たとえばそれが不意の事故(車が衝突したり)が起こり、突然・・・です。

一番長かったのはブリに引っ越してきた年にあったもので、確か午前11時ごろから夜の7時頃まで続いたと記憶しています。

あの時はつらかったですね。

料理は出来ないし、子供もまだ小さかったので(1歳)・・・。

ガレージのドアも開かないので(電動)、暑い中、出かけることも出来ず、大変でした。

もっと時間は短いですが(1時間とか)こんな感じのものなら、幾度も経験しましたが、こういう時に限って、どこかへ出かけなくては行けなかったり、料理の途中だったり、PCを使っていたり、本当に不便でした。

原発の賛成、反対・・・この問題は難しいと思います。

”社会主義的”というコメントもどうかなと正直思います。

実際に被害にあった人にしか、本当の怖さはわからないでしょうし、今の日本ではこの制度を変えていくのは時間がかかるでしょうし。

本当にイライラしますね。

そして、新聞にそのような欄(今日の放射線量)があるなんて・・・・。どうしてこんなことになってしまったんでしょうね。

卒○○

恥ずかしながら、東京新聞の存在、初めて知りました。
抜粋してくださった筆洗コラムも、いいですね~

「卒原発」わたしもしっくりきます。

原発を、「必要悪。電気は必要なんだから仕方がない」
という友人もいます。(ちなみに友人は福島出身)

「社会主義的なんだね・・・」って・・・。
どうしてこう、何かのレッテル張りたがるんでしょうかね?

「電気も原発もこれだけ必要なのっ!」
って思い込まされてること自体が洗脳だったんだ・・・って、今回、初めて知りました。
どこかで「(政治家・企業)トップの癒着は当たり前」って、
嫌な気分になるだけだから、見ないふりしてきた自分もいますが。

「ストップ!思考停止!」を、
日本人(自分含む)が問い直されてるよい機会にしたい!

個人的には、便利すぎる生活に違和感感じて、
「卒都会」生活を、してきたわけですが、
田舎は田舎で、車生活=ガソリン使いまくってるし・・・

突きつめると、自分の中でも矛盾だらけですが、
「卒○○」、いい言葉です♪



>モンキーさんへ

前にオーストラリア在住の方のブログですごく停電を怒っている話しを読んだことがあります。
発展途上国の話しだったらまだわかるのですが、
オーストラリアで突然停電、それも何度も、、となると大変ですね~。
暑い中エアコンが使えないのは困りますし、冷たいものでも食べて体を冷すということも、
冷凍庫がどこまでつかえるかの問題になりますが…。
うちは台所はガスなのでまだよかったのですが、
お湯は電気でスイッチをつけるタイプなので困りました。
朝6時20分から10時までとなると、
朝会社にいく前にシャワーをあびる夫は早起きしましたし。
まあ夜浴びればいい話ですし、被災地の不便さに比べたら申し訳ないくらいのものですが…。

原発の問題は難しいですね。
政府の決定に素直に従っていないものは反社会的なものと見られる傾向もなんだかなーと思ってしまいます。
豊かな日本をあきらめないと卒原発ができないと言われていることが多くて、
冨へのあきらめ→社会主義的、、となるのかしら…?
う~~ん。。
>実際に被害にあった人にしか、本当の怖さはわからないでしょうし、
そうですよね。
避難して方は想像もつかないような苦しみがあると思います。
今日新聞を読んでいて怖かったのが、
「(健康)被害がでたら補償のために、いつ、どこにいて、何を食べたか?を記録しておいたほうがいいのでは?」というようなことが書かれていました。
どなたも健康被害などでないことを祈るばかりです…。

>hiromidさんへ

いえいえ、東京新聞は「中日新聞」が親会社で、全国で名前をかえているんです^^。
広島ですと中国新聞ですし、兵庫だと神戸新聞という具合に、
北海道新聞、河北、新潟日報、西日本と名前が違うようです。
四国の方にはないみたいですが…。
朝刊で2550円くらいの安さが 気に入って購読しています。

> 原発を、「必要悪。電気は必要なんだから仕方がない」
> という友人もいます。(ちなみに友人は福島出身)

う~ん、電気は必要だけど原発は危なすぎる、、と考えています。
原発でない電気について考えることが必要ですね。
ある反原発について話し合う所の書き込みで、
「健康な人は今のような生活を望まなければ、電気のない生活でもできなくはないけど、
酸素マスクや透析をしている方は電気がなければ生きてゆけません。」
と書いている方がいました。
ちょっとびっくりしたのですが…。
やはり、
原発に反対=電気がなくなる
と考えている方が多いのだと思います。
まあ化石燃料はいつかなくなるのは明らかなのですが、
今なら関東でも原発は全体電力の30%、浜岡原発は10%未満だそうです。
今、卒原発にむけてクリーンエネルギーへ方向転換すれば間に合うように思えるのですが…。
特に関東の場合は、原発が使えなくていきなり「計画停電」となり、
ある日の夕方はかいきなり「このままだと大規模停電になるおそれがあります」など海江田さんが言って会社は
早じまいして、会社員が一斉に家に帰されたりした経験をしているので(夫も)、
不安感を感じたりしてそういう発想になってしまうのかもしれません…。

先ほどのコメント返しにも書いたのですが、
豊かな日本をあきらめないと卒原発ができないと言われていることが多くて、
冨へのあきらめ→社会主義的、、となるのかしら…?
過剰な贅沢の為の電気は見直すことは必要だけど、
日本も発展しつつ卒原発、脱原発ができればいいと思っています。
それは理想なのかな~?

私も「長いものに巻かれろ」精神がしみこんでいますし、
hiromidさんが言われていた「同調圧力に屈している」傾向があります…。

卒都会といいつつガソリンが必要、、など矛盾点はあるかもしれませんが、
お互いできる範囲でできることができるといいですよね。

長くなりました~(汗)。

No title

卒原発、脱原発の方向へと進んで欲しいと思います。
原発の利権に群がる人たちが、それを簡単に手放すとは思えないから、簡単には進んでいかないかもしれませんが。
でも、やはり原発廃止の方向へと進んでいってほしいです。
色々なことを考えると、原発がクリーンなんて絶対に言えないし。

計画停電も、本当はする必要はなかったという声を聞いたことがあります。
実際電力はあったと。
でも、原発が動かないと、停電になるよ、っていう刷り込みをしたいが故の計画停電だと。

>御用学者を排した第三者機関で徹底検証してほしい
本当にその通りです。そうでないと、また事実をねじ曲げられてしまう恐れがあります。

卒原発に向けて、大きく舵を取ってほしいです。

>愛希穂さんへ

原発の利権に群がる人たち…。
どこかで読んだのですが、そういう人達は富を得て、
何か事故が起こったときは海外などに逃げる。
で直接被害をうけるのは近隣に住む方々…。

ホントどこがクリーンエネルギーなんだ…!?と疑問です。

> 計画停電も、本当はする必要はなかったという声を聞いたことがあります。
そういう話を聞いたことはあります。
でも実際に「大規模停電」直前までいったのでそれはないかな~?なんて考えています。

>御用学者を排した第三者機関で徹底検証してほしい
そうですよね。
なんか丸め込まれるのはイヤです。。

何となく政府に不信感がつのってしまいます。
政府案で○ミリシーベルトまで安全と決めた方々はご自分の子供や孫をそのぎりぎりの地域で住ませることができるのかしら、、
とか色々と考えてしまいます。
プロフィール

ざまき紅子

Author:ざまき紅子
遊びにきてくださってありがとうございます。
旅行、映画、海外ドラマが好きな関東在住の主婦です。
2005年4月生まれの地図と鉄道が好きな息子(紺太郎・仮名)がおり、
中高一貫校へ通っています。

(2008年12月の記事は他の所で書いていたものを移したので、日付はランダムになっています。)


★もしご近所さんでこのブログに気がつかれた方がいらしたら、内緒にしていただけると嬉しいです。

★お出かけ先の施設の営業時間・料金等はここに書かれているものから変更になっている場合がありますので、自ら御確認をお願い致します。

★お願い★
このブログに掲載されている写真の無断転用はお断り致します。転用する場合は、リンク先のアドレスと共にご一報をお願い致します。

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